山田あかね

20世紀に神は死んだ、と言われ、一応先進国では宗教という概念は終わったとされている。じゃあ、あの強い信仰心に変わるものはなんだろうか。 それはずばり、ロマンチックラブ・イデオロギーでしょう。つまり、「愛」ってやつですね。一般的には男女の愛。宗教による戦争などの痛い経験のあと、20世紀のひとたちがすがりついたのは、身近なひとたちによせる信仰心のような、愛情だったというわけ。 宗教と純愛はよく似ている。宗教をなくしたひとたちが、すがるように手に入れたのはが「愛」ってやつだったんですね。だから、狂信者と愛を信じるひとたちはとてもよく似ている。蘇りを信じたり、永遠をうたったり。死はすべての終わりではない、と考えたがる。(気持ちはわかるけどさあ) みんななにかを信じて、それにすがりたいんだよね。新興宗教ブームと純愛ブームって根は同じなんだと思う。すがりたいひとたちのよすがだ。 もちろん、それを信じて、信じることで救われるとしたら、ほんと手軽でいいと思う。できれば、私も入信したいけど、もはや、そういった信仰心をもてない身。宗教も純愛もない荒野を歩いていくしかないのだった。とほほ。